浜昼顔群落復元事業報告 V
  その3-2 植物の状況と作業経過について

 

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U、植物の状況と作業経過について
(1)@エリア
16年初夏にはイヌドクサ(前回の報告書では、トクサとしてありましたが、正確に はイヌドクサというのだそうです)が密生し、ハマヒルガオは皆無に近い状況でし た。(photo@)この野草は深いところでつながっているため、除去には手を焼きました。16・17年 には手作業で掘り取っていましたが、期待したほどの効果が上がりませんでした。 幸い、18年6月に百石建設さんのご協力により、ユンボで掘り取っていただきまし た。掘り起こした砂の中から、根茎を拾い上げ焼却処分しました。多少の見落と しがあり、19年3月中現在、あちこちに新芽が出ていますが、手作業で対処できる 程度です。

18年7月下旬に、高根築港付近の浜昼顔根茎を移植しました。(市の事業で、築港 付近の砂撤去作業が行われました。その際、施工業者の好意により、浜昼顔の根 茎を選別し、一か所に積み上げていただきました)この根茎を、イヌドクサを除去 した@エリアに植え付けました。酷暑の中、ハードな作業が一週間以上続きまし た。骨折りの甲斐あって、まもなく活着し、8月中旬には元気な新芽が伸び始めま した。(photoA)同年秋には枝葉が伸び、群落と呼べる状況に至りました。(photoB)根茎の移植は、播種より活着率・成長ともはるかに効果的であることが判明しま した。 しかし、本年3月17日に、地権者の開発行為により@エリアが完全に掘り起こされ、 このエリアでの3年間の努力は水泡に帰しました。(photoC)地権者の了解を得てとりかかった作業です。怒りと強い不信感を禁じ得ません。 今後、このエリアは復元事業の対象から外すことになります。

(2)Aエリア
エリア上部は、山側から海側にかけて傾斜しています。エリア中部に北北東− 西南西の影が見られますが、ここは急斜面で、下の面に落ち込んでいます。勾配が大きく泥土が露出しているため、野草はコマツヨイグサが点在しているのみです。16年夏、エリア上部は中央の凹部以外はコウボウムギ・コマツヨイグサ・クズ・ササ等が密生し、ハマヒルガオは僅かに点在する程度でした。12年5月には磯根海岸ハマヒルガオ群落の中心だったのに。17年晩秋から18年早春にかけて、集中的な野草の除去作業を行いました。この季節、地上部は枯れていますが、季節風や春一番などで砂が飛散するため、多年草の根茎が露出し、除去作業が容易です。寒風に曝されての作業で風邪ひき続出でした。(作業への参加者数は春・秋の半分以下でした)
18年7・8月には@エリアと同時進行で根茎の移植を行いました。地形的に風が強いうえ、強い勾配による砂のずれ落ちなどがあって、かなりの根茎が飛散しましたが、三分の一くらいは活着し、18年秋には勢いのよいつるや葉を見ることができました。(photoD)
エリア下部は小砂丘となっていますが、北側には部分的に泥土が露出し、火成岩質の円礫やコンクリートの小塊などがまじっています。コウボウムギやコウボウシバ・コマツヨイグサ等に覆われていましたが、18年7月、百石建設さんのご協力を得て、根茎を掘り出しました。ハマヒルガオが比較的多かったので、掘り起こした根茎を植え戻しました。19年3月中旬現在、ハマヒルガオの新芽が出始めています。目落とした上記野草も針状の新芽を吹いていますが、見つけ次第、伝家の宝刀「三角ホー」で掘り取っています。ここの条件は、ハマヒルガオにとって絶好とは言いかねますが、可能性を信じて頑張っています。 単純労働ですが、この季節、早春の陽に光る海を見ながら喫するお茶の味は格別です。

(3)Bエリア
17年初夏にはコウボウムギ・コマツヨイグサ・ハマヒルガオ等が混生していました。 コウボウムギはそれほど密生せず、ハマヒルガオと共存している状況だったので自力復元を期待していましたが、18年初夏には、コウボウムギが異常な密生状態となり、ハマヒルガオは著しく減少しました。根茎はまだしっかりと残っていま したが、地上部は徒長して、花の数は激減しました。(photoE)コウボウムギの 種子は8月に熟成します(photoF)。18年にはこのことに気がつかず、穂の摘み取 りを行いませんでした。19年には花穂が出た段階で撤去しようと思っています。
コウボウムギは海浜植物ですが、これほど密生し、しかも背丈が高くなるのは希 です。流出した泥土により保水性が高まったことが一因と思われます。
上記のような事情で、18年8月下旬からBCDの各エリアとAエリアの下部(海側) でコウボウムギ・コウボウシバ・コマツヨイグサの除去作業に取りかかりました。
 コマツヨイグサは一本の主幹から四方に蔓を伸ばし、1〜2m2に広がって葉を茂  らせます。ハマヒルガオにとっては大変迷惑な存在ですが、根茎が比較的浅いの で、主幹をつかんで引き抜けば比較的簡単に除去できます。種子は10月下旬にこ ぼれ始めるので、9月下旬ころまでに除去を完了する必要があります。 コウボウシバは葉が細く、コウボウムギほど密生しないので、ハマヒルガオへの 影響は比較的少ないようです。しかし、根茎が水平方向に長く伸びるので(数メー トルに及ぶ)、除去が必要です。
このエリアのコウボウムギは密生すること・丈が高いこと・繁殖力が旺盛なことな どから、ハマヒルガオへの影響は甚大です。放置すれば数年を経ず、ハマヒルガ オは絶滅すると思われます。7月頃までは手作業で掘り起こし作業をしていました   が、根茎が深い(60cm以上に及ぶこともある)ため手作業では対応しきれないこと がわかり、結局は、百石建設さんのお世話になりました。ユンボで掘り起こし、 手作業で根茎を拾い集めて焼却する作業が続きました。ハマヒルガオの根茎は埋 め戻しました。(photoG)(photooH)
19年3月中旬現在、BCDの各エリアでは、拾い残しのコウボウムギやコウボウシ バの新芽が顔をのぞかせています。この芽を目印に根茎掘り起こしを手作業で行 い、焼却しています。昨年秋に埋め戻したハマヒルガオの新芽も小さな葉を広げ はじめました。

(4)Cエリア
コウボウシバやコマツヨイグサは多く分布していますが、コウボウムギが比較的 少ないエリアです。原因については不明です。Bエリアに比べるとハマヒルガオも少ないようです。行った作業内容はBエリアとほぼ同じです。このエリアには 幅5〜6mの碗状の砂地があり、植物がまったく生えていません。風による砂の移 動や斜面の勾配と関係があるのかも知れません。今年はこの部分にもハマヒルガ オの根茎を移植してみるつもりです。

(5)Dエリア
コウボウムギとコウボウシバが混生していますが、エリアA・B程には密生していません。ハマヒルガオは比較的多いですが、春先の強風によって砂が飛散したため、根茎が地表に露出しています。強風満潮時の汀線に近いが、汀線とはかなりの段差(50cm以上)があるので群落復元対象地として作業を行っています。作業内容はエリアB・Cとほぼ同じです。汀線に近いため、多量の漂着物が埋没しているので、根茎の掘り起こしには手間がかかります。このエリアは、汀線が変化する恐れがあるので、ユンボによる根茎の掘り起こしはしませんでした。

(6)E−1エリアは前述の通り、泥土が露出しており、また、多数のコンクリートの小塊や円礫が混在しているので、小丘陵状の南部(図面の右側)以外は復元事業の対象 にしませんでした。このエリアにはコマツヨイグサ・コウボウムギ・ノシバ・ハマヒ ルガオなどが、ごくまばらに点在しています。E−2エリアは、ハマヒルガオにと って比較的好条件と思われますが強風満潮時の汀線に近く、海面との比高も小さい ので、流出の恐れがあるので対象エリアから外しました。E−3エリアは水産総合 研究センターにより砂の撤去が行われます。対象地から外さざるを得ません。


 

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    photo09
   
    photo10
   
 

 

  リンク

  その1 磯根海岸浜昼顔群落の状況(T)
  その2 浜昼顔復元活動について  (U)
  その3 浜昼顔復元事業報告     (V)
       3−1 地形及び土質について
       3−2 植物の状況と作業経過について
       3−3 問題点と課題  

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