ハマヒルガオ再生 2011-05-15朝日新聞 記事pdf
富津の磯根海岸ボランティアの努力実る
富津市小久保の機根海岸はいま、ハマヒルガオの淡いピンク色に覆われている。一帯のハマヒルガオは、かつて、海岸そばに放置された残土の流入で消滅。しかし、地元のボランティア団体が自ら汗を流し、再生にこぎつけた。,
土嚢積み、根茎移植…
磯根海岸は、大貫漁港の南側にあり、海岸線が約200mの砂浜。一面ハマヒルガオが咲き誇った風景が変わったのはたのは、1995.年、海岸の山側に大量の残土が搬入されてから、という。粘土質の残土はそのまま放置されてしまい、10年弱で砂浜を覆い、ハマヒルガオはほとんど姿を消した。「人が破壊した自然を、なんとか元に戻したい」。動き、出したのは、地元の高齢者でつくるボランティア団体「グ一リーンネットふっつ」だった。
6000平方bの群落に
2004年から試行錯誤を重ねながら、砂丘を復元するためにdonoou 土黎を積んだり、海浜植物以外の野草を除去したりしてきた。ハマヒルガオの種を直接まいてもなかなか発芽せず、悩んだが、近くの浚渫予定地で生育しているハマヒルガオの根茎を移植してみたら、順調に生育地が広がりだした。現在では、群落の面積は約6千平方メートルにまで育った。
会員は約25人。地域の歴史の勉強や、昔の写真の収集・保存をしながら、年間約70日ほど手弁当で海岸での作業にあたっている。白井敏夫代表(76)は「体調が悪くても、海岸で作業していると調子がよくなってくるんだよ」と笑
う。3月の東日本本大震災では、群落の一部にまで津波が押し寄せた。メンバーがゴミや木一片などの漂書物を片づけ、残された流木を土嚢代わりに使うなどし、周りより少し遅れたが花が咲くまでになった。「自然の回復カはすごい」、と白井さんは目をみはる。残土は今も流出を続ける。土嚢で流路を造っているものの、すぐに砂や土で埋まってしまう。再生への取り組みは、まだ終わらない。(本田大次郎)
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